2020/9/3

言葉のちから その184

言葉のちから    【ラブソングを歌う理由】

世界で只一人という風鈴演奏家、吉田慎さんという方が紹介されていました。
え!風鈴で演奏なんかできんの!?  と思って思わず凝視。
風鈴をいくつも並べて羽のようなものでそっと揺らして、
実に丁寧に演奏していました。
あとすごく感心したのが、その準備です。
前日に現地に出向いて、現地で風鈴から音程を探るのです。1日かけてですよ。

これがギターだったら、どんだけ念入りにチューニングしてるんだと。
すごい時間かかってます。
これだけ時間かかってるので、みんなさぞ聞き入ってるかと思いきや
寝てます。
寝てます。
大人も  子供も  おじいちゃんも  おばあちゃんも
赤ちゃんまで寝てます。
「ええー!寝ちゃうのおー!?」と思いますが、そうじゃないんです。
僕はこのセリフ、ニュースでは途中で切られちゃってましたけど、
演奏家の吉田さんのとんでもないセリフ聞いちゃいました。
「えー、このコンサートは、ヒーリングコンサートということで、眠くなったら途中で寝てしまってかまいませ・・・」
ええええええ!!!!
寝ちゃっていいのーーー!!?
あんだけ時間かけて準備したのに、寝ちゃっていいんですかーーー!!?
ああそっかぁ…。
この人、癒すために演奏してるんだぁー…。
だから寝ちゃって、いいのか。
普通なら、伝えたかったり、聞いて欲しかったり、応援して欲しかったり
しますよね。 オレのメッセージに耳を傾けろと。
でも吉田さんは違った。

聴いた相手が気持ちよく眠れてるなら、それが吉田さんのHappy

なんのためにラブソングを歌うのか。
僕も、自然と風に流れて届くような いつかそんな優しい曲を作りたい。演奏したい。
そんなことを考えた雨の日。
僕はギターを弾くことも忘れていました。
上手になりたいなぁ。
ゆっくりでいいから。