2020/2/3

言葉のちから その174

言葉のちから   【協奏】

 

あるところにさびれた温泉町がありました。

旅館のオーナーたちは、少しでも自分の旅館に呼びこもうと

たまに訪れる旅人の取り合いになります。

町から離れたところにも競って看板を出し始めました。

 

街道には看板が並び景観を損なうようになりました。

 

すると、いっそう旅人は減り

しまいには、1ヵ月の売り上げが3万円代にまでなってしまう

旅館もでてきたそうです。

 

そんななか、

唯一、顧客に受け入れられていた旅館のオーナーが

「今まで私がやってきたノウハウを全部公開するから、

助け合って町を活性化させよう。だからもう、競争はやめよう。

看板を外そう。

景観を良くするために木を植えよう。

そして露天風呂をつくろう」とみんなに呼びかけました。

 

そんななかででてきたアイデアが

入場手形というシステムです。

 

どこの宿に泊まったとしても

他の宿の露天風呂に自由に入れるという

相互支援システムです。

 

 

その結果、現在、

3ヵ月以上先まで全館が満室なのだそう。

 

競争で得られるのは小さな利益。しかし

共創で得られるのは大きな感動。

 

競争から共創、協奏へ。