2020/1/10

言葉のちから その170

言葉のちから     【大丈夫】

これ、うちの母親の口癖なんです。

小さいときはよく親に相談しますよね。ほんとに些細なことから、進路相談とか大きなことまで。

僕も相談ごとがあると一応母親に話してみるんですが、第一声が、必ず「大丈夫」なんです。

 

必ず、まず、「大丈夫」

「大丈夫。あんたがそう思ってるならやってみなさい」

「大丈夫。必ず上手くいくから」

「大丈夫。一生懸命やって後悔することはないから」

いつだって返事は大丈夫シリーズで返ってきます。

中学生くらいまでは素直に母親の「大丈夫」を聞いて安心していたんですが、高校生くらいから、母親には何を聞いても返事が同じだから、「自分で考えよう!」と傲慢さが出てきて、無駄に悩んだ時期もあります。でも、やっぱり「大丈夫」なんですよ。

せっかく時間使って悩んでも、悪いことは何も起きないんです。

で、いまでは、すっかり、毎日「大丈夫」になりました。

いま、振り返って、母をすごい!と思うところは、腹の底から「大丈夫」だと思っているところです。

私は、母が悩んだり、落ち込んだりしているのを見たことがありません。

心は苦しいけど、言葉だけはよい言葉を使おう!というのとは全然違います。

「悪いことは何も起きないと固く信じている」というよりは、

「悪いことが起きるという概念がない」んだと思います。

しかもです。それだけじゃないんです。

 

「大丈夫」が口癖になると、体が「丈夫」になるという特典まで付くのです。

うちの母は体も健康なんです。というか頑丈です。

風邪くらいはひいたことあるのかもしれませんが、病気にもならないし、腰痛とか肩こりとか一切なし。

そして、体型も日本人女性としてはかなり大きい方です。

母は甘いものがものすごく好きで、3食、食後にデザートを食べています。

50を過ぎていますが、なんと、、、体脂肪率も同じくらいあります。

で、ある日、いたって健康なんですが、何かの理由で、病院で検査を受けることになりました。

(人間ドッグだったか、何かの定期検診だったか忘れましたけど)

そして、検査の結果をお医者さんに告げられるときがやってきました。

お医者さんから出た言葉は、「ただの肥満です」

母は最初意味が分からなかったそうですが、お医者さんが言いたかったのはこういうことだそうです。

「この年齢でこれだけ太っていて、検査の数値がすべて正常と言うのは珍しい。

 内科で問題なくても、腰が痛いとか、膝が痛いとか、 必ずそういう症状が出ているはずだ。

 だけど、あなたはすべて正常である。 だから、ただの肥満と言うしかない」

何が起きたって、

何が起きたって、

何が起きたって、

大丈夫