2019/12/23

言葉のちから その161

 

言葉のちから    [日本一短い「母」への手紙]より

 

○ お母さん、

雪の降る夜に私を産んでくださってありがとう。

もうすぐ雪ですね。

 

○あと10分で着きます。

手紙より先に着くと思います。

後で読んで笑ってください。

 

○「私、母親似でブス」娘が笑って言うの。

私、同じこと泣いていったのに。ごめんねお母さん。

 

○母親の野太い指の味がする。

ささがきごぼう 噛まずに飲み込む。

 

○ お母さん、僕の机の中にできた湖を

のぞかないで下さい。

 

○お母さん、私大きくなったら家にいるよ。

「お帰り。」といって子どもと遊んでやるんだよ。

 

○お母さん、もういいよ。

 病院からお父さん連れて帰ろう。

二人とも死んだら、いや。

 

○荷物届きました。

でも「パンツ」とは「ズボン」のことですよ。

ガマンします。

 

○母ちゃん。

泣きたい夜は、

決まって母ちゃんが夢に出てくる。

背中を押してくれる。

 

○修学旅行を見送る私に

「ごめんな」とうつむいた母さん、

あの時、僕平気だったんだよ。