2019/7/22

言葉のちから その67

言葉のちから【神の目をもつ男】  

 

神の目をもつ画家・熊田千佳慕。この人はすごい!!!

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年に2~3枚描くのがやっと。それほどに生物の細部まで緻密に描く独自の「細密画法」で、

虫や花を50年以上にわたり描き続けている画家・熊田千佳慕( くまだちかぼ) さん。

熊田さんのインタビューを雑誌で読んだのですがほぼ全文にアンダーラインを引くほどでした。

例えば彼は枯葉を描くときにこんな風に思うそう。

「あぁ、この葉にも青春時代があったんだなあ」。

「落ち葉をよくみると、どこかに緑が残っている。

 それは結局、夏の日のロマンが残っているということでしょう。

 そういうことがわかってきたから、 枯れ葉を描く時は、最初は緑で描いて 絵の具で枯らしていくんです。 すると、なにか自分を描いてるような気分になる。

一体感というか、自分にもまだ青春があるという気持ちになるんです」 by熊田千佳慕

枯れ葉ひとつ描くのにもその葉の命を想い一体化して、緑から描くんです。

年に2~3枚描くのがやっとというのもうなづけます。

写真家の土門拳さんは熊田千佳慕さんの展覧会に行って「これが本当のリアリズムだ。君の絵には心がある。 絵を通して心を表現した」とボロボロに泣いたそうです。

熊田千佳慕さんは現在94歳。

80歳のとき「いつ死ぬか分からないから、もう一度ものをよく見てみよう」と思ったのだそです。

すると、

年をとるほど「見えて」きたんだそう。バラの花びらもそれまではつるつるしていると思ったら、

実は、よくみると縮緬(ちりめん)みたいなボツボツがあったとか。

年をとるほどに目がよくなっていくのだとか。

熊田千佳慕さんは僕らが見えないものが見えているのです。

熊田千佳慕さんの目には、

この世界はどのように映ってるのだろう・・・・

熊田千佳慕さんの目には、

この世界はどのように映ってるのだろう・・・・

どのように・・・・

「美しいですね」by熊田千佳慕

「美しいですね。世界の全てが美しい。でも・・・・・・・・・・・」

でも・・・・・・・

「でも根本は愛なんです。美しいから愛してるのはなくて、愛してるから美しい」

           by熊田千佳慕