2019/7/20

言葉のちから その65

言葉のちから   【5ドルで奇跡を起す方法】        

現金5ドル。ほぼ無一文でアメリカにわたり禅を広められた嶋野榮道老師。

わずか5ドル。いったい、どうやってアメリカに禅を広めたんだ?

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若き日の嶋野榮道老師は禅をひろめるべく昭和40年にアメリカへ渡った。

アメリカ人にはこう言われたそうです。

「ハドソン河の水が澄むことはあっても、 ニューヨークに仏教のお寺が建つことはない」

それもそのはず。所持金わずか5ドル。禅を広めるどころじゃない。

家賃は払えない。食事にありつくのさえ腐心する。

しかし3年後。

なんと、ニューヨークに禅堂正法寺が建立されたのです。

嶋野榮道老師はいったいどんな魔法をつかったのか?

実は、アメリカにきてあまりに苦しい日々にホームシックにかかり

日本に帰って計画を練り直そうと思ったそうです。 しかし帰国するお金もない。

まずは仕事を探さなければどうにもならない。でも、次々に断られる。

ようやくひとつ、銀行の運転手の職が見つかる。

そのときだそうです。

教えを受けた師匠の中川宋淵老師の言葉が記憶によみがえったそうです。

その言葉をきっかっけに状況が一変し始めるのです。

その言葉は師匠・中川宋淵老師が英語で語ってくれた言葉でした。

その言葉とは・・・・・

 

「If you give yourself to the Dharma,the Dharma will give itself to you」

「もし本当に法のために心身を捧げるなら、法の方からやってくる」by中川宋淵老師

 

嶋野さんは愕然となったそうです。自分は本当に法のために心身を捧げていたのかと・・・・・

嶋野さんは就職をことわり、部屋を掃き清め、ひたすら座禅を組み、一心の読経を欠かさなくなった。

すると  すると人が集まってきた。

食事を提供したり家賃を払ってくれる人も出てきた。

嶋野榮道老師はこう言っています。

「“自力”といっても違う。“他力”と言っても正しくない。

 自分に嘘のない日々をコツコツ生きていたら

 不思議と計らいを超えた力が、そっと後ろから押してくれた。

 温かく、そして力強く。

 怖れをなくし、身をその力に委ね切ることができたとき、

 道はおのずから開けてきた。

 そこから喜びに満ちた精進が始まった」