2019/6/25

言葉のちから その36

言葉のちから  【手にするもの】

もし、世界がキミのものになったら、どうでしょうか? 世界のすべてをキミが手にしたら……

まさに、その世界を手中におさめた男がいます。
世界の征服者・アレクサンダー大王です。

アレクサンダー大王は、シリア・エジプトを支配したのち、メソポタミアへ侵攻し
ペルシャ帝国を征服。さらに東進し、遂にインドのインダス川流域まで征服。
東はインダス川から西は地中海沿岸にいたる空前の大帝国を築きあげた古代マケドニアの英雄です。

アレクサンダー大王は世界を手中におさめたそのとき、
ひとり部屋にこもって泣いたのだそうです。

アレクサンダー大王は世界を手中におさめたそのとき、ひとり部屋にこもって泣いたのだそうです。
大王の異変に気付き、将軍たちはドアを叩いて聞きました。
「どうしたのですか?」
アレキサンダー大王が嘆き悲しんでいた理由はこうだった。


「もう征服すべき世界がない……」

人は世界を手にしてすら幸せにはなれないようです。
何かを達成したら、「もっと。もっと。もっと」それが続くだけ。
もっと、もっと、もっとが永遠に輪廻していくだけ。
幸せは何を得たって辿り着けないんです。世界を手中に収めたって辿り着けないんです。

幸せに辿り着く道はただひとつしかないからです……
いま、この瞬間こそすでに幸せじゃないか、そこに気付くこと。

幸せの青い鳥は、メソポタミアにも、ペルシャ帝国にも、インダス川にもどこを征服してもいなかったんです。それはそうです。
青い鳥は、自分の家にいたんですから。

キミはね、もう、最初から幸せなんだ。