2019/6/13

言葉のちから その25

 

言葉のちから  (気づかい)

 

例えばお店で、
温かいお弁当と冷たいお茶を分けて袋に入れてくれたりすることってありますよね?
アイスクリームを買ったらヘラをつけてくれたり、
さらに融けないように氷やドライアイスをサービスしてくれるところまでありますよね。
でも、これ、他の国では当たり前ではないんです。

日本は、普段の買い物のなかにも気づかいがあふれている。日本の気づかいは次元が違うんです。

そこで、日本の気づかいランキング1位と2位を発表します。
■日本の気づかいランキング2位! それは源平の戦いの前に行われた気づかいです。
平家の武将は闘う前に何をしたか?  そこに日本の凄い気づかいが隠れているのです。
それは…… 白髪染めです。白髪染めをして死への戦いに臨んだんです。
敵に老人と思われるというような憐情を抱かせないためにです。
討たれるときに敵にいらぬ気をつかわせない。 そんな思いで毛を染めたのです。
「いらぬ気は使わせぬ」 これが僕ら日本人の祖先たちの美学です。

そして、もうひとつ、あまりにすごい気づかいがあります。
■日本の気づかいランキング1位を発表します!
1位は、 ちょんまげです!
江戸時代までの武士の髪型といえば、ちょんまげです。
浪人以外の、主君に仕える武士のちょんまげは、頭のてっぺんの真ん中を青々と剃りあげていました。
これを月代といいます。
現代では、恥ずかしくてできない髪形です。当時だって恥ずかしかったはずなんです。
では、なぜ、こんな髪型が一般的になったのか? 不思議じゃないですか?
ちょんまげの、まげの部分。ちょっと後頭部の髪をキュッと結わえているアレです。
アレは、烏帽子や冠をかぶるために必要だっためできたようです。

これは、わかります。でも、問題は、なぜ、意図的にハゲをつくるのかです。

武士といえば戦うのが職業。戦となれば、ヨロイ・カブトを身に付けなくてはいけません。
このカブトが想像を絶するほど重い。しかも、ただかぶるだけでなく、それで戦わなければならない。
蒸れるしずれる。それがもとで、頭皮にストレスがかかり、禿げる人もでてきます。
そこで日本人はどう考えたか。闘うために禿げたんだもん。そんな人をほっておけない。
だったらいっそのことみんなで剃っちゃおうか?みんなでハゲない?
そしたらハゲた人も恥ずかしくないもん。というわけで、月代ができたんだとか。

ちょんまげって、日本人の優しさなんです。