2019/10/27

言葉のちから その143

言葉のちから (アルツハイマー)

 なったことのない私に、

また、なったことのある家族をもたない私が、
これを語っていいかどうかは分かりません。
でも、気持ちに引っかかるんです。
「若年認知症(アルツハイマー)」。
朝のテレビ番組で、この病にかかった人のことを放映していました。
若くして発症し、そのせいで仕事を辞めざるをえなくなった、まだ成人前の子供のいるお父さん。
物忘れがひどく、とうとう家事さえできなくなった、熟年夫婦の妻。
特に、いろいろなことを忘れていくお父さんが、手帳に子供の名前を何度も書いているのを見た時には、すごい衝撃を受けました。
忘れたくないことを忘れるって、どのくらい苦しいことなんだろう…。
正直、想像すらつきません。
わたしはライターであり、カメラマン。
「残す」という仕事に携わる人間です。
不遜だとは思いますが、なにかできることは、ないのでしょうか。
文字も写真も、病の前では無力なんでしょうか。
記憶にないものを「残す」ということは、
かえって、本人を苦しくさせてしまったり、するものなのでしょうか。

…とても考えさせられました。