2019/10/22

言葉のちから その138

言葉のちから  (時間の力)

 私たちは、ただ単に今を生きているわけではありません。過去の様々な体験から、将来へ向けて今を生きようとしています。何気なく、今を生きているようで、過去から将来へ向けた力が働いています。

 例えを紹介します。


 Bさん17歳女性(高校3年生)
Bさんは、現在高校3年生で受験勉強をしていました。

将来は看護師になりたいと思い、看護学科のある大学に入りたいと希望しています。看護師になりたいと希望しているのは、理由がありました。Bさんが小学校の時、一緒に住んでいたおばあさんが、脳梗塞で倒れてしまいました。命に別状はありませんでしたが、右足と右腕にマヒが残り、ひとりでトイレに行ったり、お風呂に入ることができませんでした。大好きであったおばあさんでしたのでBさんは一生懸命看病しました。週に1回近くの訪問看護ステーションから看護師さんが家に来てくれました。看護師さんは、おばあさんをお風呂に入れたり、便秘の時にはいやな顔もせず大便の処理をしてくれました。その献身的な姿に心打たれたBさんは、私も将来あのような看護師さんになりたいと心から願うようになりました。こうして高校3年になったBさんは勉強しています。本当は数学が大の苦手で、本当は勉強したくはないけれど、将来の夢のためにはどうしても数学も勉強しなくてはいけません。たとえ苦手の数学の問題で悩んだとしても、将来の目標がしっかりと与えられたとき、人は今を生きる力になります。これが時間の力(時間存在)です。

私たちは、様々な困難に遭遇しても、将来の目標がしっかりと与えられていれば、今を生き抜く力になるでしょう。