2019/9/11

努力は報われる ?

 ノーベル賞を受賞した山中伸弥先生が歩んできた道を考える。
 
スポーツ整形外科医を夢見て1987年に整形外科研修医として勤務するものの、手術の下手さに「向いていない」と感じて、2年後には基礎医学を学ぶために薬理学研究科に入学しています。
 
しかし、薬理学にも強いフラストレーションを感じて、ここでも挫折をしてしまいます。
研究の最中にノックアウト・マウスに出会い衝撃を受けます。そして、ここにブレークスルーへの道があることを直感します。
 
その後、博士号を取得し、アメリカのグラッドストーン研究所でゼロから分子生物学を勉強し、ES細胞に興味をもちます。
帰国後は、大阪市立大学医学部助手になってES細胞の研究をゼロから始めます。
ES細胞の研究ができなければ、科学者をあきらめて町医者をやる、というのが助教授に就任した時の覚悟だったそうです。
 
山中先生のこれまでの足跡を皆さんはどう思いますか?
スポーツ整形外科医でスタートし、2年後には薬理学へ転向します。しかしそこで挫折をして、方向性を変えていきます。逃げる時には、そこから盗める者はできるだけ盗んで、次のフィールドで活かす。そうすることで、知識や経験の多様性が増加し、それがユニークな知的成果の創出につながっています。
 
つまり、「一所懸命に頑張らずに、次々にポジショニングを試すことで、最も自分が輝ける場所を探す」というニュータイプの行動様式を示しています。