2019/8/10

言葉のちから その86

言葉のちから                【発想の転換がピンチを救う!! 】

 

 

第一次南極越冬隊の伝説的なエピソード


 越冬隊が、輸送船からガソリンを基地に陸揚げしようとしたときの話だ。なんと油送パイプの長さが足りなかったのである。もちろん、予備のパイプもない。そこで隊長が実に奇抜なアイデアを提案したのである。


「氷でパイプを作ったらどや」


何しろ南極である。水が外気に触れるとすぐに凍りつくのでパイプを作ること自体は簡単だ。しかも、ガソリンは固体にならないので、氷のパイプにガソリンを流すことは可能である。


 だが、問題はまだあった。どうやってパイプ状に凍らせるか、そして、どうすれば途中で折れないようにできるかである。折れないためには、パイプに芯を入れることが必要だが、手持ちに適当な材料がない。

 


しかし、これも隊長の”ひらめき”で解決がついた。

 


「医療用の包帯があるやないか。あれを鉄パイプにらせん状にまいて、水をかけて凍らせたらええ。鉄パイプをあとで抜けば、氷のパイプのできあがりや。

それをつないでいけば、いくらでも長いパイプが手に入るのと違うか」

- 難題に直面したときに、機能転換ができたために難局を乗り切ることができる。


 氷を油送パイプの代替に、包帯を本来の目的以外のものに置き換える、

 

そんな発想の転換がピンチを救う。