2019/8/3

筑波大学はどうする???

 それぞれの大学の入試設計を眺めると、いろんな特徴が見えてきます。
 ものすごい時間と労力をかけた結果が、たった1行で表現されることも知っていますので、安易な感想や批判などは避けたいところです。
  ですので、本ブログはあくまでも問題提起、考える材料としてお読み下さい。
 
筑波大学は7月25日に新しい入試に関する情報をHPにて告知をしました。
 今後中身をより精査する必要がありますし、あくまでも個人的な感想ですが、全体的に現場の高校の意見をよく反映したもので、受験生にも多くの人に理解を得られやすいと思います。筑波大学の高校現場の意見をしっかりと聞こうとする姿勢が現れたものです。
 
 一方、高校もその特色や進学に対する意識も多様なために、ある意見を尊重すれば逆に不利益を被る場合もあるかもしれません。地域差もありますし、ひとくくりに「高校側の状況」は同一ではありません。
 
例えば
 主体性等の評価に「調査書」を用いる(参考資料とする)ことは多くの大学でも同様です。
 筑波大学の特徴は
・オープンキャンパス等への参加は評価の対象としない。
 ⇒大学が実施する高大接続プログラムへの参加などは???
・部活動等に関する賞・資格等については「賞・資格等」の評価の対象とはしない
 ⇒全国大会の出場は評価されない。 一方、体育学群では役職経験は評価される
・「その他の賞・資格など」は1級が評価の条件(農業検定だけ3級以上)
 
などが特徴です。 これらを高校の先生はどのように感じたでしょうか・・・。
 
 英語に関しては、リーディングとリスニングの比率を4:1とすることを告知しました。
 
 その理由・背景として次のように説明をしています。
「この配点比率は、大学入試センター試験において長期間にわたって維持されてきました。それを大学入学共通テストの実施に合わせて突然大きく変更することは、高校教育、とりわけ 2 年生 の英語学習に大きな影響を与えるおそれがあります。高等学校では現在、新しい学習指導要領の 実施も視野に入れながら、いっそうの英語教育の改善に尽力されていることを承知しています。
そのため、大学入学共通テストが導入される令和 3 年度入試においてはこれまでどおりの配点比率を採用し、それ以降については本学の入学者選抜方針、英語教育についての方針、他大学の 動向等を踏まえ、引き続き検討を続けることとします。変更する場合は、事前に予告します。」

としています。最後の方に他大学の動向を踏まえ、変更することもあることが添えられています。

 共通テストの英語の問題作成方針をよく読むと4:1か1:1か議論が分かれるところです。問題作成者の意図をよく読んで、筑波大学の対応を考えてみたいと思います。