2019/7/21

信州大学にみる「調査書」」の考え方

先日、信州大学が新入試に関する追加告知を行いました。
 以下、あくまでも信州大学の考え方を明確に示したもので、全ての大学の考え方を代表するものではありません。その点を高校現場、高校生の皆さんは注意をしてください。この点も、山梨高大接続研究会での話題にしたいところです。
 
 特徴的なことは、調査書の評価について明記したことです。
 下記に、その内容を示します。 特に網掛けをした部分が特徴かと思います。
 
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調査書の評価について

大学入試で評価すべきだとされている学力の 3 要素の 1 つ「主体性を持って多様

な人々と協働して学ぶ態度」が大学での学修を進める上で重要であることは言を待

たないのは誰もが認めるところです。しかし,大学の一般選抜の場で,これを的確に

評価することには困難を伴うことも事実です。信州大学では高等学校等から提出さ

れる「調査書」を高等学校等 3 年間の学習の場での「主体性」を評価するための資

料とすることにしました。「調査書」のどの様な項目を評価するかは,現在文部科学

省で進められている調査書の電子化作業の進捗状況等を踏まえ,慎重に検討し

2021 年度入試の学生募集要項で公表します。一般選抜での調査書の評価について

は下記の事項に留意して検討を進めています。

 

・「調査書」は高等学校 3 年間の学習状況が集約された資料である

・「学習成績の状況(評定平均値)」や「学習成績概評」は有益な情報となりうる

・記載者の主観で書かれている部分は一般選抜では評価の対象としない

・記載されている情報や文章の多寡を評価に反映させるべきではない

・幅広い分野について学ぶことは極めて重要だと考えるが,評価に際しては在籍高

校のカリキュラムへの配慮も忘れない

・在籍する高校の環境や志願者の成育環境に大きく影響を受ける事項は,一般選抜

ではできる限り評価の対象としない

志願者の置かれた環境の豊かさを評価するのではなく,志願者が置かれた環境を

いかに克服したか,あるいはいかに有効に利用したかを評価するように努める

・一般選抜で「調査書」を合否判定に用いることで,多くの高校生が今まで以上に,

高等学校等での日常の学びを大切にし,より豊かな学びに取り組むことが期待で

きる

 

調査書への本学の独自項目の設定について

新たな調査書では,大学が独自に項目を設定し,高等学校等に記載を求めること

が可能となりました。本学では,高等学校等の教員の負担,出願時のトラブル等を考

慮に入れ検討した結果,原則として本学の独自項目を設定しないこととしました。
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 調査書の活用については、文部科学省もアドミッションポリシーや募集要項に明確に示すようにとしています。
 3年間の記録である調査書の信頼性や妥当性も今後検討されること思います。