2019/7/6

言葉のちから その48

 

言葉のちから  【もう会えないかもしれない】

●彼女はなぜ命をかけられるのか?

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かなり古いですが、3月28日のNHKの番組に出演していた進藤奈邦子さんの言葉です。

プロフェッショナルとは、     「技と情熱。」

 

進藤さんはWHOで医師として働いていて、SARSや鳥インフルエンザの広まるのを防ぐために世界中を飛び回っています。小学生の2人のお子さんのお母さんでもあります。

 

トルコで鳥インフルエンザの疑いのある患者が入院したとの情報が入ると現地へ出発。

毎回、子供たちには 「もう、会えないかもしれない」と覚悟を決めるのだそう。

 

「もし、お母さんが死んだら後は頼むね。怠け者はだめだよ。 自分のことは自分でできるようにね」と子供たちに言って行かれるのです。

 

しかし、命がけで出向く新藤さんに対して現地の医師たちは突然やって来た外国人医師に戸惑い患者同士の関係、生活環境、鳥と接触したのかどうかなど尋ねても回答したがらないそうです。

誤った情報が世間に流れることを恐れて・・・。

 

進藤さんは、あきらめずに情熱を持って説得し、情報を得、医師たちに感染しないようマスクの着け方を丁寧に指導し、技と情熱、チームワークで治療に専念します。

(その後、トルコで鳥インフルエンザの院外感染は 見つからなかったそうです)

感染すれば死にいたるのにナゼ、直接現場に?新藤さんは怖くないのだろうか?

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新藤さんは、かって病気で亡くなった弟さんにこう言われたことがあったのだそうです。

 

「お姉ちゃん、医者になってよ。僕はもうダメだけど。 医者になって、同じ病気の人に大丈夫だよ。明日があるよって言ってあげてよ」    これが亡くなった弟さんの最期の言葉だそうです。

 

自分の中でいい加減な仕事をしている時によく弟さんのことを思い出すのだそう。

「自分の中の何かが『行け!』と言うのだ」と、胸の辺りをポンポン叩きながら、進藤さんはおっしゃってました。

 

また、子供たちにも「お母さん、仕事怖くないの?大変じゃない?」

 そう聞かれて「楽しいよ♪」と答えてらっしゃいました。

 そして、 「私は自分のためだけに働いているんじゃないと思っています」

 とも・・・。              熱いものがこみ上げてきました。