2019/6/23

言葉のちから その35

言葉のちから  (お母さんの手)

この子はどんな大人になるんだろう・・・

小学校1年生のすごい詩です。

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わたしは看護師として20年以上勤めています。

 最初は、家計の足しにと始めたこの仕事も今では病棟主任として何かと仕事を背負い込む立場になり

 家庭の仕事も疎かになり、子育てもそっちのけで仕事中心の生活となってしまいました。

そんな生活でしたが、三男が小学校1年生の時、先生から

「お母様はとてもお忙しいながら、とても素晴らしい子育てをなさってきましたね。」と言われ、息子の書いた詩を見せていただきました。

 それがこの詩です。

 

――――「おかあさんのて」

ちいさいころから ぼくをみまもってくれたおかあさんのて いまもまだおぼえている

 おかあさんのあたたかいて りょうてでぎゅっとだいて みるくをのませてくれた

 おでかけするときは てをつないでくれる  あたたかいて

 「がんばったね」 ぼくのあたまを やさしくなでてくれるて

 おかあさんはそのてで おりょうりをつくったり おそうじをしてくれる

かんごふのしごともしている

 かんじゃさんをおふろにいれているて おくすりをそろえているて 

いたいところをさすってあげているて おかあさんのてでさわられたひとは

あたたかくなる とてもきもちよくなるよ

 おかあさんのてはおおいそがしだね

 こんどはぼくが おかあさんのてのかわりになってあげるよ

・・・

忙しさにかまけて、黄色い帽子のゆるんだゴムさえ直せずにいる母親のことを、

わたしの知らないところでこんなにも誉めてくれていました。

仕事をしている所なんて見せた事も無いのに理解していてくれたのかな?

とても嬉しく、そして少し不憫にも感じました。

息子がわたしを思う愛情に負けずに、わたしも息子を愛してあげないといけない。

帰ってから、息子にお礼を言ったら息子がこんな事を言っていました。

「お母さんがなんでも一生懸命なのはな、においでわかるよ。」

「ぼくはお母さんのにおいが大好きだもん。」

「におい」か・・・

 

 いっしょうけんめい働く姿は、においとなって子供に伝わる。

 

「愛」って本能で感じるもの。と気付きました。その後、息子をぎゅっと抱きしめました。

確かに息子も愛しいにおいがしました。