2019/6/18

言葉のちから その31

 言葉のちから  【青い鳥】
 
 メーテルリンクの童話「青い鳥」をご存じですか?
クリスマスイブの夜のこと、チルチルとミチル兄妹の前に魔法使いの老婆が現れます。
そして老婆は子どもたちに、青い鳥を探してきてくれと頼みます。
どんな希望でもかなう、青い鳥。
そこで、チルチルとミチルはまぼろしの青い鳥を探しに旅にでます。
「思い出の国」では死んだおじいちゃん、おばあちゃんと再会し、
「夜の御殿(ごてん)」では世界の裏側の幽霊を見る。
「森」では人間に対する木々や動物たちの怒りを聞き、
「幸福の花園」ではさまざまな幸せのありかたを知る。
しかし、結局青い鳥を連れて帰ることはできずに、ふたりは打ちひしがれて家に帰ってきます。
「青い鳥って結局いなかったね」
がっかりしながら顔を見合わせるふたり。
ふとふり返ると、おどろいたことに、そこには青い鳥が!
自分たちの部屋で、以前から鳥かごで飼っていた鳥が青い色に変わっていたのです。
なんと、青い鳥は家にいたのです!
チルチルはミチルに言います。
「ずいぶん遠くまでいったけれど、青い鳥は、ここにいたんだな」
チルチルとミチルは、いろんな国を旅するなかで成長します。
そして、人は成長したときに気づくのです。

青い鳥は、最初から、一番近くにいたと……。
そうです。 大切なものほど身近にある。 そのことに気づくことこそ成長です。

「青い鳥」のなかでこんなセリフがでてきます。
「世の中には、みんなが考えているより、ずっとたくさんのがあるのに、
 たいていの人は、見つけられない」

それをこれから見つけにいきましょう。
見つけにいく場所は……
一番身近でありながら、見落とされているところ、日本人であるあなたのルーツ(根っこ)です。
そこに青い鳥がいます。
僕らのおじいちゃん、おばあちゃん、そのまたおじいちゃん、おばあちゃん、
そのまたおじいちゃん、おばあちゃんが、何を大切に生きていたのか、
どこに幸せを感じていたのか、そこを知ることで、あなたの人生は確実に変わります。
なぜなら、日本人であるあなたの身体の中に、そのDNAが受け継がれているからです。
史上最年少で3つ星を獲得した天才シェフ、アラン・デュカスは言いました。
「料理を作る上で最も重要なことは、自分のルーツを知ることである」
自分のルーツを知らずして、そこに創造などないということです。