2019/6/11

言葉のちから その24

 

言葉のちから  (安心すること)

 

iPone完成まであと一歩!
追い込みに入ったある日、スティーブ・ジョブズはふと気づく。
iPoneはディスプレイが中心であるべきだ。いまのままではケースがディスプレイと競うような存在感になってしまっている……。
しかし、こんな土壇場で仕様変更すれば、時間もお金も膨大にかかります。
回路基板からアンテナ、プロセッサーの位置まで内部をすべてつくり直す必要があるからです。
なにか大きな欠陥があるわけではないのですから、

普通の会社であれば、これはそのまま続行でしょう。
しかし、ジョブズは、
「良くない部分があったとき、それを無視し、 あとで直せばいいというのはダメだ。
 そんなのはほかの会社がすることだ」というわけです。
そして、ジョブズはiPoneの制作メンバーにこう告げた。
「ここ9ヵ月、このデザインで必死にやってきたわけだが、これを変えることにした。
これから全員、夜も週末も働かなきゃいけなくなった。希望者には、我々を撃ち殺す銃を配布する」
ジョブズの美意識が3次元でカタチになったもの、それがiPoneです。

さて、さて、モノには、製作者の意図というものがこのように必ず入っています。
あなたが使うパソコンの画面のサイズだって、素材だって、デザインだって
偶然決められたわけではありません。何度も打ち合わせがあったうえで決められています。

そうです。すべてのモノはそれを設計したクリエイターが背後にいるのです。すべてのモノは!
机だって椅子だって時計だって服だって、すべてのモノはそれを設計したクリエイターがいます。

以前、村松恒平さんの著書、「神様学入門」のなかの「偶然に目玉焼きひとつできたことがあるか?」
という話。

「例えばあなたが会社に行ってる間に鶏の卵がなぜか偶然高いところから落ちてそこにはたまたまフライパンがあって、ちょうどぴったり殻が割れて、中身がフライパンに入って、なおかつ、フライパンには油がひいてあって、 しかもその下には運良くコンロがあり、なぜか火がついていて、しかもちょうど半熟に焼けたところで火が消えた。 こんなことってかって歴史上あっただろうか? 」と。
偶然できた目玉焼き、そんなことは一度だってありません。
この地上で作られた何兆億個の目玉焼きはすべて「目玉焼き」をつくろうと思った人がいてつくられています。
それを、それを、それを、それを  人間が偶然生まれたなんてどう考えたって考えられないんです。人間は必然だったとしか思えない。そして、必然ならば、心配したって意味がないことがわかります。深刻になったって意味がないことがわかります。
必然ならば、僕らがやるべきことはひとつだけです。
それは……                           「安心すること」