2019/6/11

言葉のちから その23

言葉のちから  【 よりよく生きるために 】

 

「僕が死に方を考えるのは、死ぬためじゃない、生きるためなのだ」

 アンドレ・マルロー(フランスの作家)
ほんとうにやりたいことをやる人生と、ほんとはやりたくないことをやる人生、
あなたはどちらを選びますか?
ほんとうにやりたいことをやる人生を選びたいですよね。しかし、このままの生き方を続けると、人生最後の日、90%の確率で後悔することになりそうです。


こんなアンケート結果があります。アメリカで90歳以上のご老人に聞いたものです。
質問は「90年の人生を振り返って唯一後悔してることはなんですか?」
これに対して、なんと、90%の人が同じ答えでした。それは…… 「もっと冒険しておけばよかった」
このままの人生を過ごしたら、人生の最後の瞬間に後悔することになりそうです。

あの世には、お金も家具も服も家も持ってかえれません。だから、財産を失うことは、ほんとうの不幸ではないんです。では、この世の最大の不幸はなんでしょう?
それは・・・ 死ぬ前に後悔することです。死ぬ前に後悔することこそ、最大の不幸です。

しかし、それを避ける方法がたったひとつだけあります。いま、この場で死ぬほど後悔すればいいんです。いま、この場で一度、しっかり自分の死を想像してればいいんです。
どういうわけか、人は自分だけは死なないと思っています。
「死ぬのはいつも他人ばかり」

画家のマルセル・デュシャンが、そう墓碑銘に刻んだように。
でも、残念ながら、僕らが死にいたる可能性は100%です。
生まれた瞬間から1秒1秒、この瞬間も死に近づいています。

だからこそ、死を恐れるのではなく、死をちゃんと「活用」してください。
自分は、いつか死ぬ身であるという事実から目をそらさずに、「では、この命を何に使おうか」
と、日々、心をねっていたのが、かつてのサムライたちです。

古代ローマ。
凱旋した将軍が、みなに拍手喝采で迎えられるパレードをする際、従者をつけて、必ずある言葉をささやかせたそうです。戦争に勝った将軍が、喜びの絶頂にいるときに、必ずささやかせた言葉。
それは、「メメント・モリ」(mmento mori) 「死を忘れるな」という意味です。
自分はいつか死ぬ存在であることを忘れなければ、
有頂天になることもなく、物事をいつも正しく判断できるためだそうです。
ストラスブール大聖堂の祭壇にも、「死のアレゴリー」という巨大な髑髏の絵が描かれています。
「あなたもやがてこのような姿になる。ゆえに絶えず私(髑髏)を記憶し、私を見つめよ」
というメッセージです。ファッションアイテムにもよく使われる髑髏モチーフの由来は、もともとは、「死を忘れるな」という意味が宿っていたわけです。