2019/6/4

AIが受験生を選抜をする日!?

 今日は大阪で開催された「大学入試におけるWebを活用した主体性等評価について考えるセミナー」に出席してきました。
 
 筆者が高校生の頃、そして教員として進路指導を担当していた頃、大学の願書や募集要項は郵便で取り寄せていました。
 封筒には返信用封筒と切手、そして大学側へ郵送・返信を依頼する旨を書いた手紙を同封します。その手紙は、大学に向けてというか、大人社会に向けて初めて提出する公式文書ともいえる手紙。下書きを繰り返し、「拝啓 初夏の候、貴大学におかれましては、・・・・・・・。つきましては、入学願書・募集要項一式を下記住所までご郵送お願いいたします。 敬具」みたいな文章を黒のボールペンで書いて提出をします。 昔は、そうやって少しずつ社会や大学へのルールを学ぶ機会がありました。
 
 やがて、15年以上も前から願書や募集要項等は電話やインターネットで業者が一括して取り扱うようになりました。さらに、10年前に近畿大学でインターネット出願が開始(2009年)。しかしなかなか浸透しなかった。それが2012年にインターネット出願割引を開始した途端に利用者が爆発的に増えたのが始まり。山梨大学は、導入3年目に入ります。
 そして、インターネット出願に加え、活動履歴や主体性等の評価のためにJapan e-Portfolio やClassi(ベネッセ)、スタディサプリ(リクルート)、まなBOX(河合塾)などデジタルポートフォリオを各社が提供をしています。
 
 さらに、2022年には調査書が電子化されることとなります。
 
 つまり、様々な個人情報や活動履歴、学習履歴などがデジタルでつながる、さらにパソコン上で入試選抜も可能になります。大規模な私立大学では受験者数も多く、入試日程が限られている中で、入試業務の効率化のために入試システムの電子化は進んでいます。
 
 そして、さらに時代は先に進んでいて、IBMの人工知能「ワトソン」を使って、志望理由書や活動報告書などを解析し、人物像や資質能力、性格や特性など選抜資料の一部とし、それに学力試験のデータを加味して入試選抜に用いるという研究を始めるという噂?もチラホラと耳にすることがありました。
 
大学卒業後の就職選考に関しては、
 2017年に実施された18年度卒の採用では、ソフトバンクがエントリーシート(ES)選考にIBMの「ワトソン」を導入し、ES選考にかかる時間を75%削減したことが話題になるなど、いくつかの大手企業がAIを導入。AI就活元年といえる年でした。
 
AI選考の導入例
  1.  ES選考にAIを導入(ソフトバンク、NEC、住友生命保険、サッポロビールなど)
    自社の採用傾向などをAIに学習させ、AIがESの合否判断をします。企業にとってはESを読む時間を大幅に減らすことができ、採用活動を効率化につなげられるというメリットがあります。
  2.  適性診断にAIを導入(ANA、三菱商事、損保ジャパン日本興亜など)
    これまでの適性テストではマークシートの解答しか判断材料がなかったのが、AI導入によって解答にかかった時間などから迷っているかどうかまで読み取れるようになりました。性格、成長予測、自社へのマッチング度などを知る手段として活用されています。
  3. 一次面接にAIを導入(アキタ、ナベルなど)
    従来の一次面接にかわって、AI面接に導入する企業も増えています。スマートフォン越しにAIの質問に答えていくため、学生は自分の都合のいい時間に自宅で面接を受けることができ、企業にとっても時間・場所にかかわらず多くの人に面接を受けてもらうことができるというメリットがあります。
というように、「AIが受験生を選抜する日?!」もそう遠くないかも・・・。