2019/5/20

言葉のちから その6

         言葉のちから  【どういう思いで生きてきましたか?】

 

はい。さっそくですが質問です。 下記からひとつ選ぶとしたらどれですか?
・籠(カゴ)に乗る人
・カゴを担ぐ人
・カゴを担ぐ人のわらじを編む人。    あなたはどの役をやりたいですか?

この質問、映画監督・入江富美子監督のワークショップで問われた質問です。
いまは「なんでもなれるよ」と言われる風潮があり、本来、わらじを編むの(モノ作り)が好きなのに、まわりから「なんで籠に乗る人を目指さないの? どうしてがんばらないの?」と責められ、本来の自分の感性を忘れ「籠に乗れない自分はダメなんだ」と思ってしまうケースがあるんだそう。

そういえば、ある神主さんもこう言っていました。
「お祓いというのは、 悪いもの(霊)を祓ってるんじゃないんです。

本来の役割に戻ってもらうのがお祓いの本質です」


・籠(カゴ)に乗る人
・カゴを担ぐ人
・カゴを担ぐ人のわらじを編む人。


「役割」と考えたときに、いい悪いはなくなります。どれも大切な役割です。

 この籠の話は入江監督が編集された伊勢の父と呼ばれる中山靖雄さんの本に掲載されているエピソードです。

この本の中で、中山さんが脳梗塞で倒れられたときの話が掲載されています。
倒れて救急車で運ばれるとき 夢か幻か、中山さんの前に御所車のような乗り物が降りてきたのだそうです。あの世への迎えの使者が来たんです。そのとき、中山さんはその迎えの者に「あなたはこの人生で何をしてきましたか?」と聞かれるような気がしたそうです。

しかし…… 違った!

あの世からの使者にこう聞かれたそうです。
「あなたは何を思って生きてきましたか?」
「あなたは喜んで生きてきましたか?」

中山さんはハッとしたそうです。これまで自分のやっていることに重きを置いていたことに気づいたそうです。
自分は喜んで生きてきただろうか?中山さんはこう痛感したそうです。
「人生は、何をしてきたかではなく、『どういう思いで生きてきたか』ということ、
そして、喜んで生きているかどうかが大事なのだと心から思いました」